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小笠原諸島



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小笠原諸島 (東京都)


小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本
名称 …… 小笠原諸島
所在地 …… 東京都
登録年月 …… 2011年6月

小笠原諸島(おがさわらしょとう)は、東京都特別区の南南東約1,000kmの太平洋上にある30余の島々である。日本の国土で、東京都小笠原村の区域と完全に一致する。総面積は104km2。南鳥島、沖ノ鳥島を除いて伊豆・小笠原弧の一部をなす。


小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 概要

父島、母島、硫黄島、南鳥島以外の島は無人島である。その内、一般住民が居住しているのは父島と母島のみであり、硫黄島には自衛隊、南鳥島には自衛隊・気象庁・海上保安庁の施設があり、その職員等のみが業務目的で常駐している。(現在住民登録ができるのは父島と母島のみ。しかし硫黄島と南鳥島に常駐している者の住民税にあっては「居所」として東京都小笠原村に納付している。選挙の際は住民登録されている自治体〈神奈川県綾瀬市・埼玉県入間市・埼玉県狭山市など〉から職員および補助要員として小笠原村職員が事前に不在者投票に向かい行う。)

小笠原群島は小笠原諸島の一部の名称であるが時折混同され、小笠原群島の意味で小笠原諸島と言うことがある。英語では小笠原諸島はOgasawara Islands、小笠原群島はBonin Islands(ボニン・アイランズ)である。「ボニン」は江戸時代の「無人島」(ぶにんしま、ぶにんじま)という呼び名に由来する。


小笠原諸島は以下の島々からなる。

  • 狭義の南方諸島
    • 小笠原群島
      • 聟島列 - 聟島、嫁島、媒島、北ノ島 他
      • 父島列島 - 父島、兄島、弟島 他
      • 母島列島 - 母島、姉島、妹島 他
    • 西之島
    • 火山列島(硫黄列島) - 北硫黄島、硫黄島、南硫黄島
  • 孤立した島々 - 南鳥島、沖ノ鳥島


小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 自然

小笠原諸島を構成する島々はこれまで一度も大陸や大きな島と陸続きになったことがない大洋島で、亜熱帯の気候の中で独自の生態系が育まれてきた。現在、小笠原諸島内の多くの地域は小笠原国立公園に指定され、またこれまで人間から受けた影響が極めて少ないため、原生の自然が保たれている南硫黄島に関しては南硫黄島原生自然環境保全地域に指定されている。その独自の生態系が高く評価された結果、小笠原諸島は2011年に世界遺産の自然遺産に登録された。日本政府が作成した「世界遺産一覧表記載推薦書 小笠原諸島」によれば、自然環境の改変が著しい硫黄島と沖ノ鳥島、そして唯一太平洋プレート上にある隆起珊瑚礁であり、他の島々と大きく成り立ちが異なる南鳥島については世界遺産指定地域からは除外されている。



小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 小笠原諸島の総面積は約105平方キロメートルで、伊豆大島よりやや大きい程度である。これは例えば小笠原諸島と同じく貴重な生態系を持つと評価される沖縄諸島の約20分の1の大きさに過ぎない。また小笠原諸島の特徴としては、他の陸地から大きく離れていることが挙げられる。例えば伊豆半島、マリアナ諸島北端のパハロス島から父島まではともに約800キロ離れており、伊豆諸島の八丈島からも600キロ以上離れている。ほぼ同緯度の沖縄本島は西に約1300キロ離れており、東側に至っては北西ハワイ諸島まで島らしい島は見られない。この地理的隔絶が大きいことは、生物が小笠原諸島に到達することに大きな制約となった。また島の大きさが小さいことは島内で生存することができる生物に大きな制限が加わることとなり、小笠原諸島の大きさと位置は独自の生物相の形成に大きく寄与することになった。

また地質学的には小笠原諸島を構成する小笠原群島、火山列島、その他の島々は出来た経緯に違いがあり、海洋性島弧の形成と進化の経緯、そして大陸地殻の生成を観察することができる地学的に貴重な場所である。またいずれの島々もガラパゴス諸島、ハワイ諸島などと同じく、これまで大陸と一度も地続きになったことがない大洋島であり、大洋によって隔絶された環境の中で特異な生態系を育んできた。




小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 小笠原諸島の気候と生態系

小笠原諸島のほとんどは温帯と熱帯が移行する地域に当たる亜熱帯にある。一般的に亜熱帯は、常に亜熱帯高圧帯と亜熱帯高圧帯などによって形成される熱帯気団の影響下にある地域を指すが、小笠原では冬季は北のシベリア気団の影響を受けることから、同様の条件下にある沖縄諸島とともに亜熱帯の中では北部に位置するとされる。

小笠原諸島は亜熱帯高気圧である北太平洋高気圧の西北部に位置する、小笠原高気圧の中心に近い位置にあるため、沖縄諸島と比べると降水量が比較的少なく乾燥した気候となっている。特に夏季の降水量が少ないのが特徴であり、夏季は降水量よりも蒸散量が大きく上回っている。また冬季の降水量も少なく乾燥期と湿潤期が明瞭となっている。比較的小規模な小笠原諸島では大きな川や湖等が存在せず、降った雨水を保水する能力が低いこともあって、乾燥する時期の存在は乾性低木林の発達など小笠原の自然形成に大きな影響を与えている。そして通年降水量が多い梅雨時や秋の降水量が不足すると厳しい旱魃に見舞われることもあり、時々襲う大型の台風とともに小笠原の生態系形成に影響を与えている。


小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 小笠原諸島の生物相の特徴

小笠原諸島の生物相の特徴としては、特に歴史が長い小笠原群島では独自の進化を遂げた固有種が数多く分布していることが挙げられる。また植物相では裸子植物がシマムロの一種のみ、動物相では哺乳類がオガサワラオオコウモリ一種のみ、爬虫類はオガサワラトカゲとミナミトリシマヤモリの二種のみ、そして両生類は全く見られないなど、通常の生物相のあり方から見て不調和な点が多く見られる。小笠原諸島では裸子植物、哺乳類、爬虫類、両生類が極めて少ないないし見られないなど生物多様性が貧弱である一面も見られるが、カタツムリの仲間である陸産貝類や昆虫類のクロトラカミキリ属やオガサワラヒメカタゾウムシ属のように、著しい適応放散を起こし多くの種が分化している例も見られる。



小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 小笠原諸島における生物相の特徴の多くは、これまで大陸などと地続きになったことがない大洋島の生物相の特徴と一致する。大洋島では海を渡って到達できる種に制限があり、小笠原諸島では生育に淡水が欠かすことが出来ない両生類や、種子が海を渡ることが困難なシイやカシ類が存在しない。そして到達して子孫を増やすことが出来る種は偶然性によっても左右されるため、哺乳類や裸子植物は一種のみ、爬虫類も2種のみといったように通常の生物相ではおなじみの種が見られないという不調和が存在する。このために一面では生物相が貧弱であるとの評価も成り立つが、小笠原に到着して環境に適応した種は、著しい適応放散により多くの種が分化した。

そして多くの森林で主要種となっているブナ科やマツ科の植物が見られないため、どちらかと言うと通常の生態系では脇役であるトベラ属、クスノキ属、イヌビワ属などが勢力を広げ、またオオカミやトラなどといった肉食動物やウシやウサギなどといった草食動物も見られないため、捕食者に欠ける生態系となって毒草や棘を持つ植物が少ないなど防御能力の低下をもたらした。その結果として外来種の侵入に脆弱な種が多くなった。


小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 絶滅種について

小笠原諸島では開発等によってこれまで多くの生物の絶滅が確認されている。まず鳥類については、絶滅種としてはオガサワラカラスバト、オガサワラガビチョウ、オガサワラマシコの3種、絶滅亜種はハシブトゴイ、マミジロクイナ、ムコジマメグロの3種で、合計6種の絶滅種、亜種が確認されている。これはこれまで日本で絶滅した鳥類の種、亜種が14種とされているため、絶滅種、亜種の約4割が小笠原諸島の種となる。絶滅した鳥類は全て20世紀前半までに姿を消しており、これは1830年に始まった小笠原諸島開発の影響によるものと考えられている。

また鳥類より目立たないものの、原生林の開発などに伴い、約20種の貴重な陸産貝類も絶滅したことが確認されている。父島、母島などでは明治時代からの開拓で原生林が切り開かれ、また1990年代以降は外来種の肉食性プラナリアであるニューギニアヤリガタリクウズムシが、父島で盛んに陸産貝類を捕食していることが明らかになっており、陸産貝類の減少に拍車がかかっている。



小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 絶滅危惧種について

大洋島という脆弱な生態系である小笠原諸島では、多くの絶滅危惧種が存在する。まずオガサワラオオコウモリはかつては父島、母島を中心に数多く生息していたが、アメリカ統治時代には食用として捕獲されてグアム島に出荷されたり、日本復帰後はバナナ、パパイヤ、マンゴーなどの作物を荒らすために駆除されたりした影響で数が激減し、現在は父島、北硫黄島、南硫黄島に数十-100頭あまり、母島、硫黄島に少数が生息するのみとなり、2009年には種の保存法により国内希少野生動植物種に指定された。

鳥類についても特に固有亜種であるオガサワラカワラヒワ、アカガシラカラスバトは生息数の減少、生育環境の悪化が確認されており保護が図られている。オガサワラカワラヒワは近年父島列島と聟島列島では生息が確認されておらず、確実に生息しているのは母島列島と南硫黄島のみである。またアカガシラカラスバトは小笠原諸島全体で数十羽しか生息していないものと推定されており、また固有種のメグロ、固有亜種のオガサワラノスリの状況も楽観できない。オガサワラカワラヒワ、アカガシラカラスバト、メグロ、オガサワラノスリは全て種の保存法により国内希少野生動植物種に指定されている。

小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 海鳥については現在全世界で南硫黄島のみで繁殖が確認されているクロウミツバメなど、人間による環境変化の影響が最小限度に抑えられている南硫黄島は多くの希少海鳥の繁殖場所となっているが、自然災害や病気の流行などで貴重な生育環境に大きな打撃が与えられた場合の影響が懸念されている。

小笠原諸島固有の生態系を代表する昆虫類、陸産貝類の多くも絶滅が危惧されている。昆虫類については父島、母島ではグリーンアノールの捕食によって壊滅的な打撃を蒙っており、特に5種の固有のトンボ類は現在弟島のみで全種類が生息している状態となっている。陸産貝類は父島では侵入したニューギニアヤリガタリクウズムシによってやはり壊滅的な打撃を受けており、陸産貝類の固有種が数多く現存している兄島でも、クマネズミの食害によると考えられる生息数の減少が確認されている。



小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 植物についても現在、自然株が1株のみとなってしまったオガサワラツツジ、数株にまで減少してしまったコバノトベラなど、絶滅が危惧されている種が多い。これは原生林の破壊などによる環境の激変や外来種の侵入などが主な原因と考えられているが、オガサワラツツジやムニンノボタンなどは現在の環境よりも湿潤な気候に順応した種と考えられ、乾燥化が進む中で衰退が進んだ種であったとの説も唱えられている。現在オガサワラツツジやムニンノボタンなどは栽培によって増殖を行い、自生地に戻す試みが進められている。

現在、小笠原諸島の生物のうち鳥類のメグロは特別天然記念物、オガサワラオオコウモリ、アカガシラカラスバト、オガサワラノスリ、オガサワラシジミなど10種の昆虫類、陸産貝類11科、小笠原諸島の磯に産するカサガイ、オカヤドカリが天然記念物として保護され、また国内希少野生動植物としては植物は野生では1株となってしまったムニンツツジなど12種、動物類では天然記念物に指定されている種とオガサワラカワラヒワ、昆虫類としてはオガサワラシジミ、オガサワラハンミョウ、オガサワラアオイトトンボ、ハナダカトンボ、オガサワラトンボの5種が指定されている。



小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 交通

父島と母島以外の島には公共交通機関またはそれに準ずる一般客向け輸送機関が存在しない。

本土から父島
・小笠原海運「おがさわら丸」(通称:おが丸)
東京港(竹芝桟橋)と父島(二見港)を結ぶ貨客船(所要時間25時間30分、おおむね観光シーズンは3日に1便、オフシーズンは6日に1便就航)。片道運賃は等級によって異なり、2万2570円 - 5万6490円、夏期2万5100円 - 6万2790円)。
・共勝丸「第二十八共勝丸」
東京港(月島ふ頭) - 父島(二見港) - 母島(沖港)を結ぶ貨物船で、定員9名分の客室があり旅客営業も行っている。東京港(月島)と父島間を所要45時間程度で結ぶ。海況が悪い時は何日も余計にかかることもある。東京 - 父島間は原則として積載貨物の添乗、小笠原村住民、緊急と認められるかのいずれかである必要がある。東京 - 父島間の片道運賃1万8000円。

父島には小笠原村営バスが運行されている(東京都シルバーパス使用可)。他には観光タクシー、レンタカー、レンタルスクーター、レンタサイクルがある。諸島外から自家用車やバイクを持ち込む場合は貨物扱いとなり、125cc以下のバイクはチッキ(受託手荷物)扱いとなる。



小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本 母島のアクセス
・伊豆諸島開発「ははじま丸」
父島二見港と母島沖港を結ぶ貨客船。1日0.5-1往復就航(所要時間2時間、休航日あり)。おがさわら丸入出港日は接続するダイヤを組む(片道運賃1等7,560円、2等3,780円)。
・共勝丸「第二十八共勝丸」
東京港と母島を乗り換え無しで結ぶ唯一の船便。父島 - 母島間は所要約3時間(東京 - 母島間の片道運賃2万円、父島 - 母島間の片道運賃2000円)。

母島には定期公共交通機関がない。レンタカー、レンタルスクーター、レンタルサイクルがある。レンタルスクーター、レンタサイクルの取り扱い店はレンタルスクーターが3軒、レンタサイクルは1軒であり、それぞれ保有台数は少ない。一部店舗は予約をしておらず、当日朝の先着順で貸し出しを行っているところもある。その他、島内各地へは有償運送(乗合タクシー)を行っている。母島発遊覧・遊漁船が運行している。



小笠原諸島(おがさわらしょとう) 世界自然遺産・日本




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