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ハインの写真の大半は、社会に対する単なる抗議ではなく、生命力にあふれ、熟練した技術やみごとな筋肉、粘り強さを持った労働者に対する賞賛に満ちていました。

1874年にアメリカのウィスコンシンで生まれたルイス・ハインは、シカゴ大学で社会学を学びました。さらに、ニューヨーク大学とコロンビア大学で学業を続け、倫理文化の学校で教鞭をとりました。学生のなかには ポール・ストランド がいて、ハインが彼に写真を紹介したといわれています。
ハインが本格的に写真を始めたのは30歳を過ぎてからですが、もともとの才能や訓練によって、当時の社会状況を調査し、発表する手段として写真を活用するようになります。

現在ではルイス・ハインは写真家としてよりも、おそらく社会的改革者として知られているかもしれませんが、ハイン自身、写真が何かを「証明する」とは考えていませんでした。
むしろ、もし写真に社会を改革する力があるとしたら、まずは写真を見た人々の心に影響を与えていこうと思ったのです。